ユーロドルは昨日のテクニカルレポートでも指摘したように、9月26日安値のネックラインがレジスタンスとして意識されている。ファンダメンタルズ面の改善が市場で意識されれば、テクニカル面を無視しユーロは更に上昇しただろう。しかし今回の上昇もテクニカル面が意識されたということは、やはりユーロショートのポジション調整の範囲内ということを示唆していると言えよう。
仮に1.34台へ到達しても次は一目/転換線とリトレースメント50.00%レベルが重なる1.3418レベルが意識される可能性もある。むしろ下値の1.31ミドルレベルをブレイクする可能性を意識した方が良いだろう。市場では1.3000のオプションバリアのトライへ向け、ユーロ売りが加速するとの観測が次第に強まっているからだ。
為替市場でもリスク回避傾向は続く可能性が高く、そうなればドル需要を見越し再びドル買い圧力が強まる可能性の方が高いだろう。対ドルでは昨年9月からサポートゾーンとして意識されている1.5300-30レベルでの攻防に注目が集まりそうだ。対円では、116.85(9/22 Low)を下抜けた場合は、一気に116.00のラインが視野に入るとの観測がある。
※チャート 出典:Bloomberg
テスト
《アジア時間概況》
前日の海外市場はまちまちの状態。日本を含めアジア株式市場も総じて模様眺めの状態となっている。21日にアメリカが休日になっていることや金曜日が休日となっているイスラム圏のデモ拡大懸念もあり、ポジション調整の動きが出やすくなっている。
為替市場では、リスク回避的な動きからスイスフランが堅調に推移している。対ドルだけではなく、対円でも堅調に推移していることから市場の地政学上リスクに対する警戒感が高いことを示唆している。ドル円の上値では本邦実需筋からの売りに加え、米金利低下傾向からのドル売りもあり、83円台でのもみ合いとなっている。ユーロにおいてはショートカバーで1.36台に回復するも、米系筋からの売りで反落している。その後は株式市場同様に、週末と中東情勢を控えて動くに動けない状態となっている。
《本日の主要経済指標》
16:00 ドイツ:1月生産者物価指数
18:30 英国:1月小売売上高
21:00 カナダ:1月消費者物価指数
《要人発言、イベント》
22:00 米国:バーナンキFRB議長、討論会に参加 テーマ「世界的不均衡と金融の安定」
22:20 英国:キングBOE総裁、フランス中銀の討論会に参加
23:45 米国:ガイトナー財務長官、G20関連のセミナーで討論会に参加
27:30 英国:タッカーBOE副総裁の講演
G20財務相・中央銀行総裁会議(19日まで)

《欧米時間の見通し》
今日は主だったイベントは少なく、ドイツの生産者物価指数とイギリスの小売り売上高を受けて、どの程度当局が出口戦略を模索できるだけの材料を提供できるかどうかしかないか。
また、今夕から始まるG20財務相・中央銀行総裁会議においても、不均衡是正などについて話し合われる予定になっているが、議論が広範囲に及ぶ上に、IMFが示したいくつかの評価に絡んで各国の立場の違いが食い違っていることおり、アメリカやフランスが何がしろの合意に至るという見方に対して、市場は今回は議論はすれど実際の合意点模索は今秋の会合にずれ込む公算が高いとみている。
こういった中、市場はやはり中東情勢を気にしていると思われる。
先週のエジプトのように、金曜礼拝後のデモの展開を見守っているかもしれない。エジプトの場合、軍が静観の姿勢を崩さなかったことから平和裏に展開が発展していったが、バーレーンやリビアにおいては死傷者を出す当局との衝突が伝えられていることから、市場ではリスク回避のスタンスで警戒している。
中東波乱の影響が大きいのは原油市場などのエネルギー価格。北海原油(原市場、ブレント原油)はちょうど2008年からの史上最高値からの下落でみた半値(100.32、By Blomberg Data)以上で付近で推移している。200日及び90日移動平均線からは大幅にかい離していることから高値警戒感があるものの、仮に61.8%ポイントをターゲットとすれば、111.00まで上昇する可能性がある。
もっとも、エネルギー価格だけではなく他の素材関連価格の上昇を伴えば、製造業にとっては為替の値動き以上のコスト増となることから、セクターによって株式市場も動きの違いが出てこよう。また、2007-8年の例でみれば、アジア地域への新興国においても社会問題となってくる可能性がある。その場合、念のため新興国からのリスク回避の動きが出てくる可能性は考えておいた方がよいかもしれない。
一方、為替市場では当面はスイスフランの堅調地合いが維持されやすいか。
地政学上リスクに加え、質への逃避という点で米債券市場に一時避難的な資本流入がみられることで米金利低下の状態となっている。最近のまちまちの米経済指標の中でドル売りになっている背景には、米債券市場の動きをにらんでの動きとみている。
ただ、エジプトのようにサプライズ的に中東情勢が沈静化すれば、あっという間のスイスフランロング解消でのドル買いが入ってこよう。その場合には、エネルギー・資源関連価格の調整も入って、資源通貨は売られやすくなる可能性も出てくる。
いずれにせよ、週末の中東情勢を控えていては、市場関係者も成り行き次第のスタンスとなってしまうのであろうか。

《アジア時間概況》
アジア時間は、イラン軍艦のスエズ通過の報道や、中東地域におけるデモの影響などから不透明要因があるのか、日本225種は海外勢を含めて売り買いが交錯し、高値水準でもみ合いになっている。比較的堅調地合いにある海外の株式市場だが、さすがに利益確定の動きも出ている模様。
為替市場では、リスク回避のスイスフランが堅調に推移している。その動きでユーロも対ドルで1.35台を回復したことで、短期筋の買い戻しでS/L誘発の状態。このドル売りはドル円にも波及したが、北朝鮮が長距離ミサイル発射態勢にあるとの観測やクロス円ベースの円売りで83円台半ばでのもみ合いとなっている。
《欧米時間の主要経済指標》
18:00 ユーロ圏:12月経常収支
19:00 ユーロ圏:12月建設支出
22:30 カナダ:12月卸売売上高
22:30 米国:1月消費者物価指数
22:30 米国:新規失業保険申請件数
24:00 米国:1月景気先行指標総合指数
24:00 米国:2月フィラデルフィア連銀指数
《要人発言、イベント》
24:00 米国:バーナンキ米FRB議長、金融規制改革法に関して上院銀行委員会で証言
24:00 米国:ガイトナー米財務長官、2012年度予算案について上院予算委員会で証言
24:00 米国:ラスキン米FRB理事、下院金融委員会の小委員会で証言
27:00 米国:30年インフレ連動債入札
27:10 米国:フィッシャー:ダラス連銀総裁、「FRBの機能と経済アップデート」について講演
27:10 米国:エバンズ:シカゴ連銀総裁、経済見通しについて講演

《欧米時間の見通し》
中東地域の市民デモの隆起がバーレーン、リビア、さらにはイランにまで波及しており、それぞれのイスラム会派の思惑も絡んで不透明さが増している。現状では小競り合いといった風だが、当局からの強硬姿勢が高まった場合の混乱次第では、全世界のエネルギー供給地域だけにエネルギー価格の上昇という想定シナリオだけで済むのかどうかは疑問。エネルギー関連企業にとってはプラス要因になるが、需要側としてはコスト増につながる。さらに、市民デモによってさらにこの地域の物価上昇を促すどころか、どの国においても物価上昇圧力がかかることになり、長期化すればするほど各企業にとっては収益減につながる可能性が出てくる。その意味では、2-3年ぶり高値水準といわれている先進国の各株式市場において利益確定の動きが出てきやすいというもの納得できよう。企業収益改善という基調はあると思われるが、中東情勢次第では見通しを慎重に維持する可能性も出てくるかもしれない。
また、今週発表された中国の消費者物価指数も4.9%と市場の低下予想と同じ結果となったが、実際は高い水準にあるのではないかという懸念が市場にあり、香港HS株価指数はアジア時間では伸び悩んでいる。その上での中東情勢の混乱ともなれば、エネルギー・食料品を日本と同様に輸入に頼っている中国の輸送コスト上昇も重しとなろう。新興国市場におけるリスクオフという状態が顕著になれば、欧米株式市場も影響を受けると思われる。
こういった中、今日はアメリカの経済指標イベントの他、FRB当局者もバーナンキFRB議長をはじめコメントが出てくる予定。
やはり、注目は経済指標の方か。雇用関連においては、市場の予想を上回る内容(新規失業保険申請件数では低下)となれば、米消費回復期待も拡大し、FRB当局者においても現状行っているQE2の規模縮小という話にも弾みがつくかもしれない。
そうなれば、米金利上昇の可能性が出てドル買い要因となりやすいのだが、ここでもポイントとなるのがやはり中東情勢。
対イスラエル政策も焦点となろう。バーレーンは米第5艦隊の司令部が置かれている場所。現状のデモ抗議が民主的な動きで収まればよいが、急進的な動きとなって反米行動ともなれば、アメリカも関係国として巻き込まれてしまう可能性が出てくる。そうなれば、ドルよりは欧州通貨の方がリスク回避的に好感されてくるであろうし、円・豪ドルも追随しよう。NY時間は米経済指標とCNNなどのメディア報道の両にらみで一喜一憂しそうだ。また、ユーロにおいても信用問題が解決したわけではなく、25日のアイルランド総選挙に絡んだ懸念も出てきている。テクニカルでみれば、ユーロは11月以降のレンジてみたちょうど38.2%-61.8%の水準に収まっていることから、強弱材料に揉まれる状態が長引きそう。

《アジア時間概況》
注目されていた中国の消費者物価指数は、前日までの市場観測である年率+4.9%に低下という内容となるも、同時に発表された生産者物価指数が市場の予想を上回ったことから、強弱双方の材料で市場は動けず。
為替市場においても、ドル円は83円台でこう着状態の中、若干のリスクオンという地合いも手伝い、今晩の会合と経済指標イベントを控えて、ショートカバーの状態となり対ドルで1.35台を回復した。ただ、その後はイベントを控えて市場も様子見ムードで、もみ合い状態となっている。
《本日の主要経済指標》
16:00 ドイツ:4QGDP(速報値)
17:30 スウェーデン中銀政策金利
18:30 英国:12月DCLG住宅価格
18:30 英国:1月消費者物価指数
18:30 英国:1月小売物価指数
19:00 ドイツ:2月ZEW景況感調査
19:00 ユーロ圏:2月ZEW景況感調査
19:00 ユーロ圏:12月貿易収支
19:00 ユーロ圏:4QGDP(速報値)
22:30 米国:2月NY連銀製造業景気指数
22:30 米国:1月輸入物価指数
22:30 米国:2月小売売上高
22:30 米国:12月対米証券投資
24:00 米国:12月企業在庫
24:00 米国:2月NAHB住宅市場指数
《要人発言、イベント》
16:30 日本:白川日銀総裁記者会見
24:00 米国:ピアナルト:クリーブランド連銀総裁、「地域および米国経済の状況」について講演
27:00 米国:ガイトナー財務長官、2012年度予算案に関して下院歳入委員会で証言
《欧米時間の見通し》
昨日の欧州時間に、ドイツ金融機関に対する懸念の他、アイルランドの返済計画見直しなど信用問題が再燃していることに加え、エジプトの混乱は収束する方向になっているものの、イエメン・アルジェリア、さらにはイランにおいてもデモの動きが波及していることから、素直にリスクオンの状態に転じるという地合いではなさそう。
また、欧州においては今夕にEU財務相理事会が開かれ、前日のユーロ圏財務相会合に続いて突っ込んだ議論がなされるであろうが、ユーロ圏のコア経済国であるドイツの同意を取り付けるのは難航しそうだ。
もちろん、昨日話題になったドイツ金融機関の話題は継続される可能性があるうえに、他の欧州機関に対する懸念が出てきた場合には金融銘柄への圧力も加わってこよう。CDS市場も比較的堅調な推移を示していることから、クレジットの問題はまだ尾を引きそうな展開か。
こういった中、今日はドイツのGDPおよびZEW景気期待指数に加え、イギリスの消費者物価指数の発表も予定されている。アメリカとの比較で出口戦略に対する思惑が出てくるのかどうか気になるところ。ドイツにおいては、EFSFに対する警戒感があるものの、ユーロの水準が比較的ユーロ安で安定していることもあって、ドイツ株式市場およびユーロにとってはポジティブな見通しが出ている。反対にイギリスの消費者物価指数は、最近の食料品などの価格上昇に加え付加価値税の影響がどの程度出てくるのかが注目される。もっとも、イギリス国内においても大幅な財政支出削減の余波で消費がかなり冷え込んでいる可能性が高いことを考えると、物価指数が強い内容でも素直にポジティブな影響がえられるかどうかは疑問。
今週のBOE四半期インフレ報告が出るまでは、待ちの状態かもしれない。
対ユーロの地合いでみれば、大きな三角持ち合いの下限を試しそうな展開。0.8280-0.8330水準を維持している間はポンドの重石となりやすく(ユーロ買いになるため)、ポンドの上昇局面では利益確定が出てきやすいか。
そして、今週のFOMC議事録の公表ともからんで、今晩はアメリカの経済指標が目白押し。
バーナンキFRB議長をはじめ、アメリカの雇用情勢については慎重な発言が出ていることから、NY連銀景況感指数と小売売上高の数値には注目しておきたい。その上で、市場はFRBが進めているQE2に対する思惑(継続されるのか、規模の縮小はあるのか、など)で米金利への影響が出てくる可能性が高い。
ドル円は長らく9月以降の三角持ち合いを形成しているだけに、市場の期待感はそれほどないものの、10年債利回りが3.70-3.80%を超えてくるような可能性が指摘されれば、83.50-84.00にあるといわれる本邦実筋などの売りをこなしていけるかどうかが注目されよう。
EURGBP 日足

ドル円 日足
